第23回建築家展

家づくりはお施主さんとの協同作業です。‘会話’を重ねることで見えてくるものを大切にし、そのお施主さんとその場所にしかない空間を一緒に愉しくつくる事を心がけています。

大正時代の偽洋風建築 （洋風に似せて造った和風建築） に代表される古くてもデザインに優れたものを 追求しています。 古民家鑑定や、古民家改修、 有形文化財（建造物）登録などはもちろん、 古いデザインの良い所を取り入れた 新築住宅がメインです。

その空間にいるとホッとするような「なごみの空間」を目指しています。強さ、便利さ、快適さをふまえた上で、家族の意見が反映された住まいこそが、良い住宅です。出会ってからイメージを広げていきますから、各々違うデザインが生まれます。設計を引き受ける条件は、私どものコンセプトを理解していただけることのみです。

住宅は映画を作るのと似ていると思います。原作は施主様が持ってきます、それを元に一緒に脚本をつくり、時間をかけて一本の映画(一件の家)を作ります。いい映画は人々の記憶に残ります。住宅に家族の思い出(記憶)に残るような、その家でしか体験できない自然の移ろいや、印象的な空間が作れたらと考えています。

設計は、打ち合わせやヒアリングをじっくりと行い、その内容を理解し、いかに展開するかであると考えます。使い勝手や素材感を大切にして、自己主張しすぎない『佇む』建築。また、造形美や機能美のみにとどまらず、楽しみを感じられる場や空間が建物の中にいくつも存在する、そんな建物を追求していこうと思っています。